心を落ち着けて見ていくと
人とはとても滑稽なものだ
頑丈で頑固な心はいつしか時を経て
自らの拘束を拭っていく
act 5 :「It’s ショータイム」
次の日の朝、オレが目を覚まして宿の台所まで向かうと、そこには八戒がいた。
「、おはようございます」
「おう」
オレが挨拶を返すと、いつもの様に八戒はにっこりと笑う。
朝から元気の良い人だ。
それにしても八戒。お前は一体、何時に起きたんだ。
寝起きのオレに対し、この爽やかな笑顔。
オレだってついさっき(現刻六時十分前)に起きて、あわよくば二度寝に入りたかったところなのに……。
爺様みたいな人だな。
すかさず熱いお茶を煎れてくれる八戒……と思ったら、オレの顔を見るなり引っ込めようとする。
「え、何で?」
そうい言って湯のみを八戒から取り上げて、オレはそれを自分の前に置いた。
八戒は変な顔して驚いてたけど、オレにとっちゃ此れはちょっとしたチャンスだ。
実は昨日寝る前に考えた、食事時の作戦。(じゃーん)
それは名付けて”皆の前で顔を見られない様にご飯を食べるぞ”作戦。(じゃじゃーん)
そのままの挙句に、長い。
自分でもこれはどうだろうと思ったけど、まぁあれだ。
これ以上のネーミングセンスをオレに求めないでくれっ;;
今回の敵は八戒と熱いお茶。
初めての試みだし。朝だし、敵も油断しているだろう。(?
よし。いざ……!!
………………(ささっっ)
「……?」
………成功……だよな、どう見ても。
八戒の意識がオレから離れた一瞬の隙を狙って、口当ての下から茶を啜る。
幸いオレは猫舌じゃない。
八戒は本当に飲んだのか怪しんでいる様子だ。
じっとオレの顔見てるから、「やっぱ茶は緑茶が一番だよな〜」とかわざとらしく言ってみる。
敵はきょとんとしていたが、笑顔で「そうですね。」と言ってきた。
こんな調子で、この戦いはオレの勝利に終わったのだ。
しかし、これにあと敵が三人増えてしまったらこんな器用な事できるのか、オレ……!
三蔵と悟浄が起きてきて、悟空を起こし、朝飯になる。
皆で食べるのは初めてだ。
朝食は八戒の手作りらしい。
昨日の夕飯はびっくりするくらい旨かったから、見ただけで腹が鳴りそうだ。
「うまそ……」
「ありがとうございます。さぁ、皆さん食べましょう(にっこり)」
朝一番茶の件もあったせいか、妙に八戒の視線が刺さる。
凝視だ。
これは完全なる凝視だ。
「!昨日の俺との約束、覚えててくれたんだな!!」
「お、おう。皆に迷惑もかかるしな……」
………そんなキラキラした目で見るなっ!
あーもう三蔵も悟浄もめっちゃこっち見てんじゃん、くそっ!!
しょーがねぇな。これは最終手段として取っておいたんだが、見ろ、オレの最終手段…!!
「そうじろじろ見るなよっ。そんなオレって素敵か?まぁ食うとこなんて、すっげーセクシーだからな……(ニヤリ」
「「「!!!!?」」」
「ん?何言ってんだ??早く食おーぜっ」(既に食ってるし……)
「てめぇーの食う姿なんて見たかねぇーよ。死ね。(怒)」
「ガキがっ俺よりセクシーなワケ、ね、ねぇーだろうがっ!(動揺)」
「じゃあ、頂きます(困)」
それじゃ改めてオレも、イッタダキマース!
――朝食終了――
「ってどうやってメシ食ってたんだぁ?」
「さぁ……。本来人間に無いところに口が付いてるんでしょうかねぇ……」
「八戒……俺すげぇ怖ぇ……」
「………」
一方、は……
オレの完全勝利だなっ。
これで、この先もそんな困ることはねぇだろうし。
ははっ
けど、みんなの驚いた顔、面白かったな。
これからもこんな風に、毎日楽しくやっていけるのかな。
……。
楽しい……か。
そんな風に思ったのは、いつぶりだっけ……
管理人という名の地雷 : ギャグっす。主人公さん壊れてます。
これは書く気なかったんですけど、やっぱり食べる時の事は今後の展開とか考えると……云々
悟空 : ってこんなんだったんだな……。
管理人という名の地雷 : 人の心を勝手に覗いちゃいけないってもんですよ、悟空くん(′д
’)y=3
三蔵 : お前が勝手に人の心ん中晒したんじゃねぇーか
管理人という名の地雷 : なんでいけないの!?いいじゃん、たまにはねぇ><!
八戒 : 普段から頭の中がギャグだから、こういう事になるんですよ。
管理人という名の地雷 : 頭の中がギャグとか……私にとっては最高の褒め言葉なんですけど(笑)
悟浄 : お前ってなんか……見てて可哀相になってくる奴だよな
管理人という名の地雷 : そう言われると、もの凄くむかっ腹が立つのは気のせいだろうかああ……!
悟空 : 続きはこっちだぜ!=次