Welcome!
葉とアンナを送り出してから、どれくらい経ったのだろう。
は広い家を掃除し、洗濯を終え、一人縁側にいた。
台所にあるガラス張りの機械は、コポコポと音を立て器に広がる。
暖かい太陽に照らされたは、風と共に香る干したての洗濯物に意識を取られ、目を閉じていた。
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機械は動作を止め、器に全て移った液体の湯気は空気と混じり、洗濯物もそろそろ渇く頃。
一つの影が庭に降り立った。
「眠っているのかい?」
に寄せられた、長く細い指が、そっとその髪を梳かした。
その行為に身を捩ったは、腕の隙間からもれた光に目をやる。
「ん・・・・ハオ・・・さん・・?」
頭を完全に上げ、そこに居る人間を見ると、綺麗に笑う未来王がの前に立っていた。
「久し振り」
「あ、どうも・・・。せっかく来ていただいたのに、申し訳ないのですが、葉くんとアンナさんは学校で・・・」
「いいや、いいんだよ。今日はに会いに来たんだ」
申し訳なさそうな顔をするの隣に腰掛けると、ハオはその身をの膝にあずけた。
「ハオさん?」
「暫くこうさせてくれないかい?疲れているんだ」
は、自分の膝に頭を乗せるハオをまじまじと見つめると、何かを思いついたように、バっと立ち上がった。
その勢いに押され、そのまま倒れこんだハオは、困ったようにを見る。
「どうしたんだい?そんなに嫌だったかな・・・・?」
「いえ、ハオさんちょっと、お待ち頂けますか」
そう言うとは、台所に向かって走っていった。
あれから数分。
手に何かを持ったが、ハオのところに戻ってきた。
「どうぞ。疲れている時にはコレが一番です!」
ハオに差し出されたそれは、透明で大きなグラスに入ったアイスラテだった。
「僕に?」
「はい。少し顔色が悪いようなので、甘めに作りました。甘いものは、平気ですか?」
「ありがとう。君が作ってくれたものなら、何でも大丈夫だよ」
の頬に唇を寄せたハオは、コーヒーを口にすると少し目を見開いた。
心配そうに顔を覗いてくるに微笑むと、ハオの心にある考えが浮かんだ。
「、とってもおいしいよ。でもね・・・・」
今度はの耳元まで近づくと、息を吹きかけるようにハオが囁いた。
「僕の疲れが取れて元気になったら、が責任とってくれるかい?」
は言葉の意味を理解しているのかいないのか・・・・、覆いかぶさってきたハオを笑顔で見つめていた。
いや、ハオを見つめているというよりも、その後ろの人間を・・・・。
「アンナさん、葉くんお帰りなさい」
「ちょっとあんた、“私の”に何さらしてんのよ。そんなに死にたいのね。じゃあ、殺してあげるわ。今ここで。
今直ぐに。魂が彷徨う余地もないくらい即座に・・・」
「お前、ハオっ!?“俺の”に・・・・・っ!!!」
自己中極まりない言葉を発する2人に、苦笑するハオ。
笑いながら手を振る・・・・。
ハオはそっとから手を放すと、素早く彼らと間合いを取った。
「とんだ邪魔が入ったね。この続きは次に期待させてもらうよ。じゃあね」
「はい。またお待ちしております、ハオさん。」
「おい、まてハオっ!!!」
そう言い残したハオはSOFに乗り、三人の前から去っていった。
「っち・・・・逃がしたか・・・・。今度来た時はただじゃおかないわ・・・・・・って?;」
「、さっき何て言ったんだ?」
「え?またお待ちしておりますと、言いました^^」
「ダメよ。あんなのとを2人っきりにしたら何されるか分かったもんじゃないわ!あんたも少しは自分の立場、
判って頂戴。」
アンナの言葉を聞き、下を向いて少し考えたは、笑いながら2人に言った。
「でもハオさん、優しく対応してくれましたよ?それに何だか私、葉くんと同じ顔のハオさんが、悪い人だなんて
思えないんです。」
「・・・//」
「それは大きな間違いよ。葉だってこんな笑顔してるけど、結構腹黒いところがあるのよ。気をつけなさい、。」
「アンナ何言ってるんよっ・・・・;;」
「ハオさんは、葉くんとは違った優しさがあります。私は、ハオさんも葉くんも、アンナさんも大好きです。それで
いいじゃないですか」
「「//////」」
大好きという言葉を聞いて、葉、そして何故かアンナまでが、顔を真っ赤にさせた。
この子の手にかかってしまえば、確かにそれでいっかと思ってしまうから、不思議である。
とは言っても、二人がハオの警戒を解く訳ではないのだが。
葉とアンナの心配が今でも続いているのは言うまでも無い・・・・・。
「Sweet smell of your feel」の番外編、ハオバージョンでした!
「Sweet〜」が意外と人気だったので、ハオさんでも書いてみたのです。
驚くべきことに、葉さんや蓮くんを抑えて、アンナが一番人気という、
意外なご意見で、私はびっくりしたんですが(笑
これからは、アンナさんをちょくちょく絡めた夢を書いていけたらなぁと
思います。
お付き合い頂き、ありがとうございました^^
管理人@kaede