盛大なる歓劇
切られた何本かのコードに、テトと呼ばれたロボットのような少年が触れると、ビリビリという電気音を響かせながら、
美術館が揺れはじめた。
流れ出すテトの能力。
「ウルトラサウンド(玩具な感情)
電極コードを伝い、スピーカーから轟く、音ともいえぬ音を発して。
「コレデOK、OK」
「じゃあ、姫のところに戻ろうか?僕はリヤオと一緒に行くから、皆で先に行っててくれよ」
「ワカッタ」
H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H/H×H×H×H×H×H×H×H×H
狂いだす生の鼓動。
卑劣な声音と共に聴こえてきたものは、低俗な争いを繰り出す人間の狂気染みた奇声だった。
一般の人間たちが、先程まで自分の隣にいた人間を、思い思いの兇器を手に、殺しにかかっている光景が広がる。
愛の語らいをしていた恋人も、親友だと呟いていた関係同士でも、お構いなく。
ヒトに操られている沙汰とは言え、惨い光景であることは、間違いない。
「見て下さい、この舞台を。素敵だとは思わない?」
窓に手を付き外を見下ろすは、見えぬ仮面の奥でくすくす笑った。
表情は読み取れぬが、その心内がだんだんと見えてきた事に、クロロは自らの殺気とその悦びを、必死に抑えた。
欲しい気持ちが昂ぶり、爆発しそうなのは、クロロだけではない。
「う〜ん、ちょっと僕には刺激が強いかも?」
「で、此れはどういうつもりだ?」
興奮するヒソカと自分を抑え、クロロはに問うた。
その答えとして、また声にして笑ったは、3人に向き直るとこう言ってみせた。
「君たちなら必ずここに来てくれると、そう思っていたよ。これは僕らの、歓迎の意だよ。」
「歓迎か。つまりお前たちは、俺たちを試そうということか?」
「クック……。そうそう。試すのは好きだけど、僕は試されるのは嫌いなんだ。わかる?僕らは、君たちに従うつもりは
毛頭ないってことだよ」
コレは、舞姫側からの威嚇の意だ。
以前、旅団がウヴォーの曲を奏でたように、舞姫がその曲を模倣してみせたのも、反発をするため。
ある意味、受け入れる体勢は、お互いに意味万全であった。
H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H/H×H×H×H×H×H×H×H×H
バリッバババッ
バリリ・・・・・・・・・・・・・・・・
「ってー・・・・・・コレはちとキツイな・・・・・・・・・」
「おじちゃん、とっても強いねぇ!?リヤオだ〜い感激ぃ!」
大きな手におもいきり電波をくらったフランクリンは、顔を引き攣らせながらそれを制した。
その相手に煽られるように、更に少女もヒートアップしていく。
思った以上に手強い小さな少女。
動く早さもバカにはならず、フランクリン一人では大分手間取っていた。
「ちょっと、何してるの?」
「何してるってパクお前・・・・見てねぇで少しは手伝えよ」
「・・・・・・・手がやけるわねぇ」
フランクリンを見守っていた(笑)パクは、一息吐くと瞬時にリヤオの後ろへと回りこんだ。
そして、その肩に触れようとした瞬間、
ザバァー・・・・・・・・
パシッ
「リヤオ、油断は禁物って言っただろ?」
「ジャムぅ〜♪」
音を立て、上から降ってきた水と共に降りてきたのは、先程まで電極塔にいた美青年だった。
まさか水がかかってくるとは思わなかったパクノダも、突然の出来事に隙を見せてしまった。
青年に掴まれた腕が、ものを語る。
「パク!!」
「・・・・・っ」
「ごめんなさい。ちょっと大人しくしててもらえませんか?じゃあリヤオ、姫のところまで頼むよ」
「おっけぃ〜!じゃあ行くよ」
足元に滴る水に片足をキュっと滑らせたリヤオは、そこにいたフランクリンとコルトピの手をぐっと握ると、一点に念を放った。
「レジスタートリック(感受性雷電移動)」
H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H/H×H×H×H×H×H×H×H×H
ぱらぱらと場に集まってきた旅団と舞姫メンバーは、大きな画面を目の前にし、新しい舞台をはじめようとしていた。
まるで、その時を待っていたかのように。
「帰ってないのは、リヤオとジャム…二人だけかな?クロロたちの方も、まだ全員揃ってないね」
「あぁ、こっちはあと3人だ」
「直に戻ってくるよ。その前に訊いておくけど、クロロ。君たちの目的は、何だったっけ?」
「そうだな。俺たちは、君たちに訊きたいことがあって此処に来た。」
「僕らに訊きたいことだって?何?」
「お前達は、右手に鎖を付けた男を知らないか?」
「鎖・・・・・か。見たところじゃあ僕たちの仲間にはいないよ。戻ってない2人も、直接見れば判ると思うし」
「君たちの仲間にいるとは思っていない。見覚えはないかと訊いたんだ」
尚も問うクロロに、さぁといったジェスチャーを施し、そしてはまた笑う。
クロロの様子を見て、どうやら鎖人間に恨みでもあるらしいと、その場にいたメンバー全員が察した。
旅団と絡みがあるという事は、その鎖人間も、“それなり”であると読む。
「僕らの仲間にいない強い男……かぁ。それに鎖だっけ。残念だけど、目の前の獲物をあっさり逃してやる程、僕らは温くないよ。」
「そうか。まぁ、その応えが本当かは、直に判る事だ」
パクノダに調べてもらえさえすれば、用も済む。
しかしクロロは、その“直”に時間が掛かるのはやや面倒な事だと思っていた。
どこまでこの人物が素直に従がってくれるのか。
殺さない程度に遣る。
これ程難しい手段はないと、クロロは思った。
ぴちゃんっ・・・
丁度話しが途切れたところに、階段から水音が聴こえてきた。
上から降りてくる、細い跡。
「帰ってきたみたいだね。」
ババババババババッ・・・・・・
水音のすぐ後には、強い雷鳴が響いた。
そして騒がしく姿を現したのは、残りの旅団と舞姫の2名だった。
「っふー・・・・・・。疲れた疲れたー!!っていうか、おじちゃん重いよ!!」
「な、何なんだ・・・・!?」
「あなただよ、あなたぁ〜!そのでっかいおじちゃん!!」
「お、俺ぇ!!?」
やたらと面白いリヤオとフランクリンの会話は、笑い上戸の姫にはキツかったらしく、今までものとは違い大きく笑い、
仕事を終えた2人を労う。
「あっははははは!リヤオ、ジャムお疲れさま。それにしても・・・・・リヤオ・・・・」
「あ、姫ただいまぁvvこのおじちゃんねぇ、とっても強いんだよ!リヤオの攻撃、止めちゃったんだからぁ!!」
「へぇ・・・・そうなんだ。でもさ、こっちのお兄さんはもっと強いと思うよ」
「姫、そちらは旅団の?」
「うん、クロロ・ルシルフルさん。」
挑発的にクロロを示したは、幕上げを促した。
理由はどうあれ、命懸けの手合わせをするのには快感がある。
今までとは違った最高の“歓劇”を、楽しませてくれないか?
あーもぅ、意味判らん!!
と、叫びたい方もいらっしゃるでしょう…。
絶えて下さい!ドーン・笑 …スミマセン;;;
リヤオと居た美青年→ジャム
ふと思ったのですが、これって・・・・・ドリーム?コレ、ドリームになってますか?;;(訊くな)
とりあえず、逃げます!!!(コラああ!><;
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