ヨークシンは静かに騒ぐ
「その仕事は納得いかないな」
旅団の会議中、シャルナークの反論が響いた。
全員参加と言われて集まってみれば、全く利益にならない次の仕事内容に、納得のいく者は少なかった。
その仕事とは、なんの役にもたたないような宝石や、ガラクタを奪いに行くという、たかが知れている内容だ。
そんな事なら今は、鎖野郎の情報集めが最優先。
それが、団員達の意見だった。
「俺は“今後”に関してその仕事が必要だと言っているんだシャル。」
「今後?」
「皆は最近名のある“舞姫”という集団を知っているか?」
「・・・・・知てるよ。最近煩い集団の事ね」
「そうだ」
舞姫。
素性は知らないが、自分たちの長を「姫」と呼び、自分たちと同じように、欲している物は何をしてでも全て手に
入れるという輩だ。
「そいつらが何か今度の仕事に関係あるの?」
シャルナークが、眉をへの字に曲げて団長に訊いた。
「奴らが次に狙うものは、今俺が言った、骨董品や宝石だという情報を手に入れた。近々、奴らはヨークシンに現れる。」
「殺すのかい★」
「それは、奴らの能力を見てから判断する。噂では、かなりの能力者がいるようだが、使えないと分かり次第、殺る」
「つまり、使えると判断した場合は……仲間に入れるって事?」
マチがやや不服そうに団長にそう尋ねた。
団長は、心に一物抱えた表情で、問いに答える。
「あぁ。皆に集まってもらったのは、少なくとも俺にそういう意図があるからだ。ウボォーが死んだ今、鎖野郎を見つけるためにも
その輩はいい仕事をしてくれる筈だ。勿論、用が済めば全員殺す。必要の有無は皆の判断に任せる。やってくれるな?」
H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×
任務当日の夜。
ヨークシンは、静かに騒ぐ。
蜘蛛 vs 舞姫
こんな面白い戦いを見れないなんて、なんて勿体無いのだろう。
そこそこの能力者であれば、興味を抱くであろう戦い。
しかし、そこそこである故に、巻き込まれれば一瞬にして命を落とす争いだ。
over10H。
ヨークシン美術館内で先に動き出したのは、舞姫の方だった。
気配を絶っている蜘蛛の存在に気付いていながらも、活動を開始する。
舞姫の方は、相手が蜘蛛だという事に気付いている訳ではないが、そんなこと彼らには関係がなかった。
舞姫達は気配を消すどころか、全身の能力を発揮して、自分達の居場所を蜘蛛に訴えた。
“来れるものなら来てみろ”という合図だ。
「かなり挑発してるね」
「相手はペアで5班……か。」
真顔のフェイタンと、冷静に分析するフィンクスが声を発する。
こちら側でも、割と余裕の体勢で舞姫を向かいいれていたのだ。
「予想通り、計画のままで行動する。それぞれ配置について相手が絶になる寸前に捕らえろ。
第1班は西の搭。第2班は東、3班は屋上、4班は地下だ。俺の班はさっきから動きの無い頭のところだ。行けっ」
クロロの合図で一斉に散った班の組合わせは、下記の通りだ。
第1班→シズク、ノブナガ
第2班→シャルナーク、ボレノフ
第3班→フランクリン、パクノダ、コルトピ
第4班→フィンクス、マチ
そして団長の特別班→クロロ、ヒソカ、フェイタン
H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×H×
【舞姫サイド】
「来たね〜♪」
「油断するなっ・・・・。かなりの・・・・・念能力者・・だ。」
「僕らに何の用なんでショ〜♪」
「さぁ・・・・なぁ・・・・。姫がお待ちだ・・・・・早く・・行くぞ」
……絶!
念能力者達の動きに合わせて一気に絶を放ち、行き場を絞らせる作戦だ。
どこに向かうだなんて、自分達以外には判る筈が無いという絶対的な自信が、彼らにはあった。
【蜘蛛サイド】
「そういう事ね」
「まぁ、今頃から絶しても俺等からは逃げられねぇ」
第1班のシズクとノブナガも、絶を放った2人の行き場など、追わなくても理解出来るという、絶対的な自信があった。
蜘蛛にとってはガラクタだが、奴等が狙うであろう骨董品の方向に、目標の2人は向かっているだろう。と。
しかし、標的の舞姫が向かう先は、第一機械室であった。
【舞姫サイド】
「あはは。これまでにイラナイオモチャを狙って来たカイがあったね。これからこれから♪」
「今は・・・・奴等に構ってる暇は・・・・無いから・・・・・な」
「ザクシャン?これでいいんだっけ♪」
「あぁ・・・。繋いで・・くれ。」
「そっちはどう♪?」
「こっちは・・・終わった。行く・・・・・・ぞ」
何やら機会をいじり終えた舞姫の2人は、絶のまま機会室を出て、窓から外へと消えていった。
【蜘蛛サイド】
「ちぃっ!!」
「完全に逃がしちゃったみたいだね」
一方、シズクとノブナガの2人は舞姫に逃げられた事で少しばかり焦っていた。
蜘蛛を撒く事なんて、容易ではない。
ただ者でない証と、相手の目的がまるで掴めないことが、ノブナガを苛立たせた。
「探すぞ!!」
「勝手な行動は禁止。団長の命令に従って特別班の方に戻るよ。」
蜘蛛第1班、任務失敗。
連載入りました。
かなり伝え方が・・・下手ですね!;;スミマセン;;
完全オリジナルキャラクターの「舞姫」メンバーがたくさん出てくる予定です。
“姫”だけに女だらけにしようと思ったんですけど、書いているうちに、変わってしまいました。
ちなみに、森鴎外とは関係ありません!ドーン・笑
今回は、名前変更なくてすみませんでした;
次回から、謎の主人公様が出てきます!
次も、宜しくお願いします><!
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