幸せの値
「観月さん、それどうしたんですか?」
・・・・・・・・・・・・。
裕太はまた無神経な・・・・・・・・。
見れば解るでしょう?
焦がしたんですよっ!!!
「あぁ。それ、科学の実験中、ガスバーナーに突っ込んでできたヤツだーね」
・・・・・・・・・・・・って貴方ねぇ・・・・・。もとわと言えば柳沢が僕にぶつかってきたからじゃないですか!!
「へぇ。お前って結構バカだな」
「・・・・・・・・・。バカ澤と呼ばれている貴方に言われたくないです」
「んだとこらっ!」
「はぁ〜いはいはいっ!何もめてんの?さっさと練習せい君たち!!ガングロ部長もしっかりせい!」
「ガ、ガングロ・・・・・・・・・・・・って、先輩!!」
「久し振り、皆。あ、裕太くん〜vvv」
「うわぁっ!先輩止めて下さいっ!!////」・・・・・・・・・・・・。
僕って人はなんてついてないんでしょう・・・・・・・・。
“ガスバーナーで前髪ちりちり状態”の時に高等部の憧れの先輩、さんが来てしまうだなんてっ!!
って、裕太!さんから離れて下さいっ!!
あぁ、もうあんなにくっついて・・・・・・。
ドンッ!!
気が付くと僕は裕太を突き飛ばしていて・・・・・・。
「み、観月さん・・・・・・・・・?って・・・・(顔めちゃめちゃ恐いっス・・・)あ、俺走ってきますっ!!!(((逃)」
さんもなんで、いつも裕太に抱きつくんですか!?
「あー裕太くん行っちゃった・・・・・・。あ、観月くんこんにち・・・・・・」
み、見られてしまった・・・・・。
あぁ・・・・・・!!?こんな醜態をさんに・・・・・・!!!
僕の人生もう終わりです・・・・・・っ!!!!!
「観月くん、前髪・・・・・・・」
見ないで下さい!!お願いですからこれ以上見ないで下さいっ!!!
そんな優しい顔してくれてますけど、本当は笑いたいんでしょう?!
いっその事、指差して笑い飛ばしてくれればいいじゃないですか・・・・・!!!
「焦がしちゃったのかな・・・・・?あ、そうだ!ちょっとこっち来て〜」
さんはそう言うと、僕の手を引いて・・・・・コートのベンチに座らせてくれました・・・。
そして、僕の髪を・・・・・・・。
「さん・・・・・くすぐったいですよ・・・・・・////」
「うん?ちょっと我慢してね」
バックの中から工作用のハサミを出すと、僕の前でちょきちょきして見せました。
「髪用じゃないけど、大丈夫。私こういうの得意だからっ!!」
そっと指で僕の瞼を下ろすと、さんの香りがする櫛で髪を梳かしてくれた。
そのままゆっくりと、温かい手で僕の頭を撫でる。
それがとても心地良くて・・・・・・・
シャキ、シャキ、
ぱっ ぱっ ぱっ
シャキ、シャキ、シャキ・・・・・・・・・・・・
ぱっ ぱっ ぱっ ぱっ
「よしっ!こんなんでどうだろう?観月くん終わったよー」
「あ、はい。ありがとうございました!!////」
急いで目を開けたらさんの柔らかい笑顔が目の前にあって・・・・・・・。
つい・・・・腕の中に・・・・・・・・・・・。
「観月くん・・・・・・・?」
「あ、すみません・・・・!!」
「はい、最後はお客さんが確認して下さい♪」
渡された鏡を恐る恐る覗くと・・・・・・昨日までの僕がいて・・・・・・・。
「観月、おもしろく無くなっただーね」
「あ、観月さん前よりいいですよっ!!(←戻ってきた裕太)」
目を瞑る前と開いた後じゃ全然違って。
僕の髪もそうなんですけど、“幸せの値”が。
さんの事が好きな理由が、また一つ増えた気がします。
「お客様?お代のほうは、弾ませていただきますねっv」
そんなジョークを言ってそろばんをはじく貴女も(何であるの・・・・)
僕は本当に好きなんです。
「じゃあ、これで全額払えますかね」
愛しすぎて・・・・・・。
また、腕の中にしまった。
さっきよりも奥深くに。
大切に。
「おい!観月、何してんだ・・・・・・!!」
「大胆だーね」
「み、観月さん・・・・////」
さんはくつくつ笑って、僕の背中に手を回した。
「お代はしっかり頂きました。ご利用、ありがとうございました」
<おまけ>
「やってられないだーね」
「観月さん・・・・・・・」
「裕太も俺もうかうかしてらんねぇなぁ・・・・・・」
「え、まさか赤澤部長も・・・・・・・・!?」
「ライバルは多いだーね」
「「お前もか!!?(柳沢先輩もですか!!?)」」
甘っ!!すごい甘いですよこれ!!!
私、いっぱいいっぱいです・・・・(>_<);;
観月 「・・・・・・・・。何で最初、僕はあんなに錯乱してるんですか・・・?」
@kaede「面白いじゃないですか・・・・?」
観月 「さんが裕太に抱きつくのは・・・・・・」
@kaede「私の趣味です(笑)」
観月 「・・・・・・・〜。」
@kaede「いいじゃないですか?2回もさん抱きしめちゃったんですから!」
観月 「そうですね。まぁ、許します。さん、また会いに来て下さいね・・・・////」