devise














「じゃあ、行こうか♠」



差し出された手を握ったのは、子供心を突いた何かがあったからかもしれない。

見た目が良いか悪いかくらいの判断はつくものの、いったい誰かも判らない人間に気を許したのは、

一人でいる事が耐えられなかったからかもしれない。

いや、ははっきり言って、それさえも理解できない年齢であった。

母に連れられ、幼稚園帰りの公園へと立ち寄った帰り。

見渡す限りには人、一人として居らず、自力で向かった家までの道は程遠いものと変わっていた。

泣けばいくらでも構ってくれる人間はいたが、男女語らいの場である噴水の前では、幼心でもそんな

気力さえ生まれやしない。

水面に写った自分の顔を見ていると、その背中から、低くも高く響く声が向けられた。

女の甘さも、香水の匂いも全くとしてない。

背の高い、美年の男。

怖いと感じたのは、その瞳がじっと自分を見ているからだった。



どうしたんだい♦

迷子になっちゃったかな♣

じゃあ行こうか♠



そんな会話はなくても、心細いには充分すぎる問いかけ。

母の温もりよりも奥ゆかしく、妖しい空気に惹かれるように。



去る頃には、噴水の周りに人の気配はなかった。



















× × ×    × × ×    × × ×    × × ×    × × ×    × × ×




部屋に案内された少女は、自分の家とはかけ離れた背景に驚きを隠せずにいた。

白い壁に、男の雰囲気からは想像もできない温暖な部屋。

生活感のあるテーブルの前に即されると、お腹が空いている自分を誘うような、いい匂いが鼻を掠

めた。



「君の為に用意したんだ。食べていいよ♥」



手掴みに近い勢いで食事をはじめるに、心なしか薄笑いを浮かべる。

白い唇が。



「ねぇ。お兄ちゃんは食べないの?」

「僕はもうお腹いっぱいなんだ♦」

「ねぇ、ねぇ。そのケーキは?」

「くくっ・・・・・後でね。デザートだよ♠?」

「なぁに?」

「僕は“お兄ちゃん”じゃなくて、ヒソカ♣」

「ヒソカ?」

「そう♥」



その艶のある笑顔が、テレビで見るヒーローや役者よりも格好良い。

つけられた番組や食べ物に目移りしながらも、は食事を進めていった。

そしていよいよ、目の横っちょで気になっていた丸いケーキが差し出される。

隣に移動してきたヒソカも、どこか楽しそうだ。



「はい。最後のご褒美だよ♥」

「やたっ!ありがとお、ヒソカお兄ちゃん!!」

「うーん。いい食欲♦」



フォークを持った手で、口やケーキを移動する動きが可愛い。

進むに連れて、ヒソカの前にもつっついたクリームが差し出される。



「ヒソカお兄ちゃん、あーん」

「♥」



ジー

ジー

テレビが後ろでニュースを知らせる。



?」

「ふぁい?」



口の周りについていたケーキを、ヒソカの舌が舐め取る。

その感覚がくすぐったく、キャッキャとはしゃぐの髪を掬い取り、腰を抱き寄せたヒソカは、そのまま

体をベットへと運んだ。

抱き心地の良いペットを腕にしまい、ずっと欲していた玩具のように。



「先程新しいニュースが入りました。今夜未明、ヨークシン某マンションで発見された一家惨殺・・・・・・」



テレビが後ろでニュースを知らせる。

眠ってしまったにキスをし、映像を切ると、ヒソカは不適な笑みを浮かべた。




「幼児のちゃんが発見されていないところからみると、誘拐の可能性があるとみて・・・・・・・・」








ずっと欲していた玩具のように。



































3000HITをもらって下さった咲黒サマへ♪
園児設定の甘甘という事だったんです・・・・・・が・・・・・。
甘い・・・・・かなぁ・・・・・。
砂吐きどころかヘドロが・・・・・(苦笑)
甘いというより愛思考ですか?
おもいっきりロリコン親父にもできる話しだったのですが、やっぱりこれくらい
が私の限界でそれがし・・・・・・。
お世話になってる身分、こんなものを差し出すのは難ですが、こんなものでよ
ければ・・・・。
あ、けど、真剣に書いたので心配はいりません!
キリバンリクをくれた方には、愛の偏りの無いよう、いつもより頭をねじって書い
ていますから!!!!(必死)

とにかく、すみません・・・・・・・・。