君の声を探そう
「俺らは関係なしって事で。じゃあな」
「キルア!ダメだよ、クラピカだけに押し付けちゃ・・・・・」
「ゴン、いいんだ。これは私が勝手に行動した事。皆に迷惑かける事態ではない」
「けど・・・・・・」
「ほらっ。クラピカだってこう言ってるんだし。帰るぞ」
こちらを気にしながら去って行くゴンに手で即しながら、クラピカは2人の帰りを部屋で見送った。
静かに閉まったドア線上の向こうには、小さな息をしながら眠る少女。
言わば、これが先程発した言い合いの元なのだ。
ハンター試験で知り合ったゴン、キルア、レオリオ、クラピカの4人は、たまにこうして顔を合わさる事が
あった。
それも、こんな時に限ってレオリオは忙しいらしく、携帯でその連絡が入っていたのだ。
傷だらけの少女を見つけたのは、言葉の争いのようにゴンとキルアが会話を弾ませ、それを苦笑しなが
らクラピカが眺めている、帰りの告示だった。
すでに人の気配に敏感になっていた3人には、木陰に隠れて横たわる人間を見つけるのは察しができ
る範囲であって。
急いで駆け寄る彼女の体は、まるで死体のように動かず、血後の様に出来上がったものと予告された。
一番に状態安否を気遣ったクラピカは、息がある事を知らせ、2人に運びを手伝ってもらったのがこの
状態に至るまでという事なのだ。
もうこれ以上、人の死など目の当たりにしたくはない。
面倒な立場を蒙ってしまったと言えど、これでよかったのだと、自分に言い聞かせた。
HUNTER × HUNTER HUNTER × HUNTER HUNTER × HUNTER
だいたい、自分が負わなくても、ゴンがいたのだから見捨てられる訳がなかった。
例えこの少女の為になどならなくても、過去を消散するように、こうして朝もベットの横で迎える。
いつ目を覚ますのだろうか。
いったい彼女に何があったのだろうか。
名前は何ていうのだろうか。
乾いた赤を気にしながら、絞ったタオルでそっと顔を拭いてやった。
太陽が最も高い位置に達した頃、クラピカの部屋に約束のベルが鳴り響いた。
昨日、唯一揃わなかった人物だ。
「よっ!悪かったなー、昨日は。で、例の患者ってのはどこなんだ?」
「向こうで眠っている。こちらもすまなかった。急用でいきなり呼び出してしまって」
片手を上げ、「いーよいーよ」と、これ以上の配慮を削ぐ。
その間も、いつものトランクケースを開き、診察の準備をはじめるレオリオ。
以前よりも少しばかり慣れが出てきたのだろうか。
その手順は流石なるものがあった。
「すっげー怪我だな。けど、本当に生きてんだな」
「無下な事を言うな」
「しっかし、女の子にこんな事すっか?普通・・・・・」
ちぐはぐの一応の手当てを取り、縫う手法が必要かどうかを調べ、打撲の痕に赤い消毒液を塗り掛ける。
大掛りな器具が無かったり、本人が寝ているという事もあり、内臓の損傷は特に確認も出来ない。
助けた際、吐血はしていたか等の質問を繰り返し、所々、折れていた腕にちゃんとしたギプスを巻いた。
青い顔に合うよう、点滴も打って。
「こんなもんか。あとはこの子の気持ち次第ってやつだな」
「あぁ。ありがとう、レオリオ」
使い終えたナイフや針を熱湯に投げ入れ、はぁーっと一息ついたレオリオは、少女を見守るクラピカに目
をやった。
「なぁ。珍しいんじゃないか?お前がこんなに必死になるなんてよ」
「貴様にお前などと言われる覚えはない」
「っかームカツク・・・・・・・。変わってねぇーなぁ、クラピカ」
「余計なお世話だ」
「で、これからどうすんだ?」
「何がだ?」
「この子だよ。目覚まして、もし“生きたくなかった”なんて言い出したら」
「・・・・・・・・・」
気持ちの押し付けだなんて、クラピカも十分解っている事だった。
暴れだした少女に「生きてくれ」なんて言う資格は自分に無い。
願って、そう口にしないというところであろうか?
「私も・・・・・・よく解らないのだ」
「そ。まぁ、俺も大きく言やー医者だからな。お前の判断は間違っちゃいねぇーってとこだな」
「なら訊くな」
「はいはい。じゃ、俺は忙しいからな。その子の目が覚めたら、また呼んでくれ」
「あぁ」
行ってしまったレオリオにもう一度礼を言い、クラピカは少女の隣に佇んだ。
自分のした事に誤算はない。
君は、レオリオと同じ事を言ってくれるのだろうか?
「私はクラピカだ。お前の目が覚めるまで、ずっと傍にいよう」
HUNTER × HUNTER HUNTER × HUNTER HUNTER × HUNTER
眠りつづける少女が来てから丸4日。
毎日変え続けた点滴の袋はそろそろ底をつく頃で、寝ずに働き続けたクラピカの睡眠時間にも、限界が
祟っていた時だった。
仕舞っていた服を虫が喰うように、たまにこうしてベット横で頭を埋めるクラピカの手を、何かがそっと触
れる感覚を覚える。
はっきりとする息遣いと、薄くこちらを向いている目が・・・・・。
「あ・・・・っ・・・・ぃぅ・・・・だ、大丈夫か!?」
「・・・・・・・・・・」
「私が見えるか?」
「・・・・・ど・・・・・・て」
「ここの近くで倒れていたんだ。安静にしていれば心配ない。お前は・・・・・生きている」
少し顰められた瞳は宙を泳ぎ、力なく動く手はクラピカを掴んでいた。
これまでの不安が体に蘇ってくる。
この地か他界。
その心には、どちらが君の望みとしてあるものなのか。
「・・・・・いき・・・・・てる・・・・・・」
「あぁ」
「私・・・・・生きてる・・・・・・・・」
彼女の頬を涙が伝った瞬間、何が本物の答えなのかという事は、クラピカにははっきりと解った。
絞り出てくる、その喜び。
必死の否定をされない事は、何でこんなにも自分の心に火を灯すのだろう。
握り返した手は、とても温かいものだった。
HUNTER × HUNTER HUNTER × HUNTER HUNTER × HUNTER
「・・・・・クラピカ」
「え?」
「クラピカ・・・・・そういう・・・・名前なんでしょう・・・・・?」
レオリオに連絡の電話を入れたクラピカが戻ってくると、懸命に口を動かす少女がそう言った。
彼女が目を覚ましてからというもの、一切として自分の事を語らなかったというのに、何故その名を知っ
ているのだろう。
不思議に思ったクラピカは、目を大きく開いて驚いた。
「・・・・・・遠くから、聴こえました。あなたの声・・・・・・・・私はクラピカ・・・・・傍にいる・・・・・って」
「そうか。なら、私のした事も多少は“よかった”というものか」
「・・・・・・・・・・・」
「?」
「私・・・・・・・・・・・・」
「」
「クラピカ・・・・・・・ありがとう」
「・・・・・・・・・」
「私の事・・・・・・・救ってくれてありがとう・・・・・・・・」
ずっと待っていた声が聴こえた。
自分の問い掛けを遠くで感じ取ってくれて。
まるで全てを打ち消してくれるような。
それを言いたいのは、こちらの方だというのに・・・・・・。
「。私もお前に礼を言いたい。ありがとう・・・・・・」
優しくの肩を包み込み、笑顔の中、クラピカは泣いた。
勝手に救ってしまった人は、自分を許し。
救われてしまった身の全身で僕を溶かした。
見つけた答えは
君の声
25555HITの華月優那サマへ♪
クラピカ甘→甘・・・・・・(汗
おとなしいヒロイン→おとなしいというか、ほとんど喋ってない。
・・・・・・・・・・。
ごめんなさい・・・・・・・!!!!
ギャグっぽくすると、さらっと流れてしまう感じがしますが、少し気持ち含
めてシリアスっぽくすると、愛は深まると!(←つっこんでやって・・・・・
ゆなは私の妹さんvという事で、クラピカで元気つけてほしいかな。
こんなんでよかったらの話しだけど・・・・・・・・・。
それじゃあ、ゆなさんリクありがとね☆