−読む前に−
コレは、リョーマ連載『BAD meeting』の裏舞台(?)のお話で、007、最後の春の続きみたいなやつで
す。
↑の作品を知らなくっても読めると思いますが、所々「?」なところがあるかもです。
それに気をつけて(?)読んで下さいね。
056、我慢できない(>_<)
「くーっ!もう、だめ!!全然だめ!!絶対だめぇぇぇぇぇ!!!!!」
校内の屋上の元で、その叫び声は大きく響いた。
特徴のある猫っ毛の頭を大胆に掻き毟り、今にでもそこから飛び降りそうな勢いで、コンクリートの上
で地団駄を踏む。
それは丁度、昼休みの時だった。
「英二落ち着いて。ほら、あったかいお茶もあるから」
「ん〜・・・・・・・・・。ずずずずずず・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・ダメ!!ダメダメダメーーーー!!!!」
「・・・・・・・・・そう?で、英二は何をそんなに耐えていたんだい?」
「実はね、不二ぃ・・・・・・」
********************************************
「あー、もう勘弁して〜・・・・・・」
「〜、おねがいぃ〜〜〜」
「いやだって!何で私が手塚さんのラケットを盗まなきゃならんのさ!?」
「だってー、見つける筈の私が隠してるのバレたらヤバイじゃん?ね、ね?」
「ってもしかして・・・・・・・・鬼?」
朝からこうしてに付き纏うは、ゆっくりしたい食事時でもこうして言い寄ってきていた。
何を思ったか。
が手塚の大事なラケットを隠し、それをが見つけ出したかのように振る舞い、部長のハートをラブラブ
ゲッチューという、何とも馬鹿馬鹿しい計画を企てているのである。
勿論、そんな訳の解らない頼みを易々聞き入れる事など出来ないは、こうして何度も断っていると言
う訳だ。
「そりゃーさぁ、の恋は応援したいけど・・・・・・・犯罪だよ、それ・・・・・・・」
「えー・・・・・・・・ん〜・・・・・・・。そっか・・・・・昨日、一生懸命考えたのに・・・・」
「・・・・・・そんな事考える時間と勇気があるんだったら、告白すりゃーいいじゃん」
「それまで行くには、裏工作をしないと!手強いからなー手塚くん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
こんな2人のコントは、クラスでは一種の名物でもあった(笑)
仲が良いというか、何というか・・・・・。
これも、互いのいいバランスと言うべきものなのだろうか。
特に2人の詳しい会話の内容が聞こえていなくても、周りの人間は、それを見て大きく笑っていた。
自分たちが笑われているとも気が付かずに・・・・・・。
そして、そんな柔らかな空気に交ざってきた人間は、教室を混乱の渦に巻き込んだ。
「う〜・・・・・・・・。見つけたにゃーーーー!!!」
「Σ!!?」
「あぁ・・・・・英二・・・・・」
ガバァ!!
っと音を立て、の背中に何かがへばり付く。
いきなりの事で体勢を崩したは、顔を机にめり込ませた。
「ぶぼっ……!!」
「あ、菊ちゃん〜と不二くん〜vvvvv」
「やぁ、ちゃん。ちょっとお邪魔するよ」
「ぜんっっっぜん構わないよぉv」
「んむぅ〜〜〜〜v」
「いやっ!?はぁ?誰!!菊丸くん!?」
撥ねた毛先がの目を直撃し、飛びついてきた人間をよく確認できず、とりあえず(?)戸惑う。
を襲った菊丸は、猫というよりむしろ野獣だった。
「、好き〜〜vv」
「は?え!?意味不明すぎ!!」
「いいなー」
「こらっ!助けてええええ!!;;」
羨ましそうに眺めると、にこにこ笑う不二に懇願する。
背後で菊丸ファンからの奇声を浴びながら、変な汗をだらだらと流す。
とにかく、今の状況の意味が解らなかった。
そして、すりすりと寄ってくる菊丸を、ようやく宥めだしたのは不二だった。
「英二。そろそろ離れようか?それに、も困ってるみたいだし」
「いやにゃっ!!」
「・・・・・・・・ところで不二さん、何でこの人は私にくっ付いてるんス?;;」
「あぁ・・・・・・、僕もよく解らないんだけど、我慢できなくなっちゃったみたい」
「はぁ?」
「さぁ、英二。もうこれ以上は・・・・僕も我慢ならないよ?」
「・・・・・・・・・・むっ!」
不二の開眼虚しく、強かにから離れようとしない野獣、菊丸。
それどころか「密着が足りない!」だとか何だとか言って、椅子で開いていた自分の腹との背中との
距離を縮め、その体を後ろから抱きすくめるようにそこに座った。
変な汗、健在なは、逃げようにも菊丸の体重に圧し掛かられては無理があった。
ただ、恥ずかしいというよりも面倒だと思うは、いわば超人としか言いようがない。
昼食時の約40分間という学生さんたちの至福の一時は、と菊丸によって崩壊されたとは、言うまでもない・・・・。
そして、授業5分前に不二に訊いたの疑問。
あまり関わった事のない菊丸が、何故自分にあれだけ懐いているのか。
“我慢”とは何の事か・・・・。
不二が言うに、
「桜が何たらって言ってたけど・・・・・・なんとなく聞きたくなかったから流しちゃった。(爆)でも、いきなりに
好意を持ったってのは、明らかみたいだよ」
そんな抱き付かれるほど何かをしただろうか・・・・・?
考えれば考える程、頭がごっちゃになっていくそんな事を、はすぐ面倒に思い、深読み(にとって
の/笑)を止めた。
そしてそれからは、菊丸によるストーカー行為に日々時間を悩まされる事となる・・・・・・・。
覚えてるでしょうか?
BADの方で、菊しゃんがさんに抱きついていた事を・・・・・・。
るぉーまさんにあっさり制されていましたが。
菊しゃん、我慢できなかったみたいです。はい。
「桜の下で君を見てから・・・・・」
が、主な設定。
なんだか、このヒロインさんは書き易いです。
また他で書く時も、どうぞよろしくお願いしますvvv
2003/6/2